少年消防クラブ(BFC)について

女子団員

全国の消防本部は、消防行政を管轄する国の組織である「総務省消防庁」の指導により、青少年の防火防災意識の向上のために、「少年消防クラブ」を組織しています。

少年消防クラブは、一口で言うと「ボーイスカウトの消防版」で、消火器訓練など、消防・救助訓練を青少年に経験させるほか、地域の防火防災の啓蒙活動にも寄与しています。消防署が募集して希望者が任意で参加する方式の地域もあれば、小中学校における活動の一環として学年全員が参加している地域もあります。消防署員が直接指導する地域もありますが、消防署は活動の場所を提供するだけで運営はボランティア指導員に任されている地域もあります。

「少年消防クラブ」の呼称が全国的には一般的ですが、東京消防庁では「消防少年団」と称しており、神奈川県大和市など一部の消防本部では「少年消防団」と称している地域もあります。英語はいずれもboys (and girls) fire club (略称BFC)となっています。

活動に関しては、財団法人日本防火協会など消防行政の外郭団体が各種サポートをしており、運営経費については日本財団(日本船舶振興会)を通じてモーターボート競走の収益金などから公的な支援を得ているところが多いため(日本船舶振興会の故・笹川良一理事長が出演する、「戸締まり用心、火の用心」のテレビCMをご記憶の方も多いと思います)、ボーイスカウトやスポーツクラブと比較して、親の負担は比較的少ないのが特長です。

男子団員

昭島消防少年団での活動

私の娘は、小学校4年生から6年生だった2003年4月から2006年3月まで、東京都昭島市の「昭島消防少年団」で活動していました。BFCの活動の一例として、その3年間の活動を以下でご紹介します。


BFCの制服(団服)

BFCは、私服や学校の体操服で活動を行っているところもありますが、規律訓練の性質上、子どもたちの意識向上のために、制服を制定している団が多いようです。制服は一般に無償で、支給でなく貸与という形をとります。

大きな団では、独自デザインの制服を制定しているところもありますが、多くの団は財団法人日本防火協会が育成物品として斡旋している制服を採用しています。この制服(日本防火協会型)は、昭和50年(1975年)頃から使われている、歴史の古いものです。

日本防火協会型の本体は、男子は紺色の半ズボン丈、女子はベージュ色のキュロットスカート型のジャンプスーツ(つなぎ服)です。つなぎ服なので、肩ひもの長さをバックルで調節して、身長に合わせるようになっています。腰回りは男子は紺色、女子は茶色のGIベルトで締めます。ベルトのバックルには、BFCのマークが刻印されています。

BFC制服(日本防火協会型)(辰野株式会社製)

男子正面(閉状態) 男子正面(開状態) 男子背面
女子正面(閉状態) 女子正面(開状態) 女子背面

ジャンプスーツの下には、お揃いのシャツを着る団と、私服のままでOKの団とがあります。下半身は、肌着の上に直接着る団と、ズボンに重ね着をする団とがあります。

日本防火協会型の男子用は、前部のファスナーにスライダーが2つ付いており、小用の際に下側だけ開けられるようになっています。女子用のスライダーは1つだけですが、その代わりにキュロットスカート部にロンパースのようなスナップボタンが付いています。

つなぎ服のため、特に低学年の子どもには脱ぎ着がしにくいことも確かであり、新入団員に、まず着方の指導から入る団もあるようです。

東京消防庁の消防少年団は、日本防火協会型と見た目がほとんど同じですが、上下が分かれたセパレート型(上がベスト、下が半ズボンまたはキュロットスカート)になっている独自の制服(東消型)を制定しており、脱ぎ着のしやすさに優れています。ベストを半ズボンまたはキュロットスカートの中に入れて、ベルトを締めます。

BFC制服(東消型)(辰野株式会社製)

女子正面(閉状態) 女子正面(開状態)

なお、東消型は小学生(一般団員)専用で、中学生(指導団員)の制服は、男子は長ズボン、女子はキュロットスカートで、ベストはベルトの上に出します。日本防火協会型を採用しているBFCでは、中学生も小学生と同じジャンプスーツを着用していましたが、最近は中学生の制服の着用は減っているようです。

日本防火協会型も東消型も、男子は紺色、女子はオレンジ色のスカーフを首に巻きます。また靴下(ハイソックス)は、男子は紺色、女子は茶色で、房付きのゴム製靴下止めを付けます。ジャンプスーツ(ベスト)の胸には、団章や階級章を付けます。


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