思い出の京都学生写真連盟

2004年5月27日付け京都新聞で、「京の大学生らが写真連盟結成、来月6日から初の合同展」という記事を目にしました。京都の大学写真サークルを横断的に結ぶ組織ができたとのこと。その名も「京都学生写真連盟」。この懐かしい名前を目にして、いろいろな思い出が甦ってきた私は、押し入れを引っくり返して、懐かしい記録写真をひも解いてしまいました。


同期の植田良樹君によると、京都産業大学の勝原慎一さんという人が1983年に京都学生有志合同写真展を立ち上げ、同年12月に今は無い花月画廊で第1回写真展、翌1984年にはこれも今は無いギャラリーシーホースで第2回写真展を開催したそうです。そして私が修士課程2回生だった1986年頃に、立命館大学写真研究会の上田光俊さんという人が音頭をとって、同展を発展させて「京都学生写真連盟」を立ち上げようということになったと記憶しています。1986年の夏頃、各大学の写真サークルの有志が伏見区の龍谷大学に集まって開かれた企画会議に、私も出席しました。

京都学生写真連盟の合同展は1986年11月中旬に開催されました。会場は、河原町蛸薬師のVIVREにあった「ビブレホール」でした。ビブレを経営していたマイカルは、倒産を経て再建中ですが、ビブレホールは果たして今でもあるのだろうか?。
合同展の名前は、「ん!あーえー展」。この得体の知れない展名の由来は、今となってはわかりません。あまり評判は良くなかったような覚えが。。。。

搬入作業。(1986年11月14日撮影)

京都学生写真連盟の出品展校一覧です。個人としての出展者も含めると、京都市内の大学をほぼ網羅する勢いでした。携帯電話もインターネットも無かった時代に、よくぞ連絡がついて集まってきたものです。
大谷大学写真部、京都学園大学写真部、京都工芸繊維大学写真研究部、京都産業大学写真部、京都女子大学写真部、京都大学写真部、京都大学医学部写真部、京都文教短期大学写真部、嵯峨美術短期大学写真部、花園大学ニューフォトクラブ、光華女子大学写真部、同志社大学写真同好会、龍谷大学写真部、平安女学院短期大学写真部、花園大学写真部、立命館大学II部写真研究会、佛教大学、立命館大学I部写真研究会

会場入口に設置した、京都大学写真部の紹介パネルです。当時、大学研究室に普及し始めたばかりだったワードプロセッサー(一太郎Ver.3)を使って、苦労してリス原稿を作ったことを覚えています。

美術系大学・短大の写真部員も多く参加していたためか、オーソドックスなパネル写真だけでなく、オブジェ作品もあり、当時の時代の勢いが感じられます。 私の出品作です。この合同展の直後に開催した、京都大学写真部『超卒展』(6回生卒業・大学院修了展)の宣伝もしました。この「超卒展」の宣伝パネルは、今も京都大学写真部の部室の天井脇に釘打ちされて現存しているそうです。

カルチャーの異なる大学間を横断するサークル活動は、いろいろな意味で刺激になります。その一方で、数年間で世代が完全に入れ替わらざるを得ない大学サークルの場合、立ち上げ時の勢いをどのように継承し、活動を定着していくかが、大きな課題となります。でもまぁ、大学サークル活動はあくまでもその青春の一時期を生きる学生たちだけのものであって、世代を超えた定着は不要という考え方もあるでしょう。1980年代の「京都学生写真連盟」は、やがて自然消滅しました。「京都学生写真連盟」の名前は、お互いに関係なく時代を超えて何度も現れては消えることを繰り返す共有物なのかもしれません。

それでも私は、21世紀の「京都学生写真連盟」が、末永く活発に活動していくことを願わずにはいられないのです。

21世紀の「京都学生写真連盟」の公式サイト


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