我が国のアマチュア無線制度は、戦後の電波法の制定により始まりましたが、戦前も実験局として企業、学校、個人の開設する無線局が存在していました。

本ページは、高瀬芳卿著「短波実験局の設計と運用」（実験短波工学叢書第10巻　誠文堂新光社 昭和13年9月初版、昭和15年8月第9版）の巻末に収録されていた、無線局のリストの中から、学校が開設していたと思われる局をピックアップしたものです。

昭和16年の太平洋戦争開始と同時に多くの無線局の運用が停止させられましたので、昭和15年時点と思われるこのリストが、ほぼ戦前の決定版と考えられます。

同誌に掲載されている国際呼出符号割当表では、大日本帝国のコールサインのエリアについては以下の通りとなっており、現在のエリアとは異なることにご注意下さい。

• J1　「本邦には純然たる素人局無き為、J1の留保無し」とある
• J2　東京都市、東京地方逓信局及び名古屋逓信局区内
• J3　大阪逓信局区内
• J4　広島逓信局区内
• J5　熊本逓信局区内
• J6　仙台逓信局区内
• J7　札幌逓信局及び樺太区内
• J8　朝鮮及び関東州
• J9　台湾及び南洋諸島

サフィックスのファーストレターのAは逓信省関係に割り当てられ、B以降に個人局や企業局に混じって学校局が割り当てられています。但し教育訓練機能は有するものの学校とは言い難い逓信講習所は、本リストから除外しています。