百万辺映画製作所 作品紹介

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滝沢精二教授 数学1の講義

1982年5月11日撮影 スーパー8 1トラック 3分
制作・監督・撮影:滝沢修
講師:滝沢精二(当時・京都大学教養部数学教授)

【内容】
 京大教養部(現・総合人間学部)の選択科目である数学1(微分積分学)の講義の一部を、教室外から窓越しに盗撮した記録映画。サイレントカメラとアフレコフィルムを用い、音声は別系統で録音したため、映像と音声が完全には同期(シンクロ)していない。ちなみに講師の滝沢精二教授(1996年逝去)は、監督の父親である。

再生

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踏切の反逆

1984年撮影 スーパー8 無声映画 1分
制作・撮影・編集:滝沢修

【内容】
 1984年6月26日、国鉄奈良線墨染踏切で警報機が故障して鳴りっぱなしになり、通行人が難儀している現場の記録。ラストに挿入されている新聞記事は、同年8月6日に同じ故障が発生した時のものである。

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走れ!電気自動車

1985年作品 スーパー8 2トラック 14分
制作・監督・撮影・選曲・編集・解説:滝沢修
出演:遠藤徳和(当時大学院生、現在トヨタ自動車勤務)

【写真】

【内容】
 京都大学工学部電気工学科一般電気工学講座(安陪研究室)で研究が進められていた、トランジシタチョッパ制御型電気自動車の、走行実験の模様を収録した科学ドキュメンタリー。1985年11月の第27回京都大学11月祭自主製作映画祭典において「坂」と同時公開された。内容の堅さと解説の難解さと画面の退屈さのため評判悪く、オクラ入りとなってほとんど公開されたことがない作品である。

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ナルト怪人の恐怖

1984年度京都大学11月祭参加作品
シングル8 2トラックアフレコ 40分
出演:森純子(劇団ぺるそな・夢見のんの)・菊池聡(劇団ぺるそな・冬木聡一郎)・古川雅之・染谷広幸・篠原紀子・佐野尚子・土山耕一・ほか
原案・脚本・特技監督・音楽・編集:菊池聡
監督:古川雅之・植田良樹
企画・制作・総指揮:滝沢修

【写真】

【内容】
遺伝子組み換え実験の失敗で、ラーメンが怪人に変身した。怪物を倒すには、仲間の研究者を犠牲にしなければならない。最先端科学者の苦悩と闘いを描く近未来SFパロディ。

【解説】
百万遍映画製作所結成のきっかけとなった作品。当時はまだ組織が京都大学写真部と混然一体になっていたため、「KUPC有志映画班」の団体名で製作した。(KUPCは Kyoto Univ. Photo Club の略称)本格的な劇映画を撮るのは初めてだったため、画質、音質共に不十分な点が多い。だがこの作品が、多数の製作関係者を映画熱に陥れ、決まっていた就職を蹴って留年する者まで出す事態となった。

本作品は、同人誌サークル「阿素湖KK」の関係者から高く評価され、1985年2月に開催された同誌の集会「ASOKON2」において招待上映を行なった。

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1985年度京都大学11月祭参加作品
シングル8 2トラック 38分
脚本・監督:佐野尚子  
撮影・選曲:菊池聡  
プロデューサ・編集:滝沢修
出演:西平糸絵、伊藤令、福田かおる、寺田尚志、岩見敏弘、染谷広幸、ほか
協力:京都大学写真部、劇団鞠小路

【写真】

【内容】(「日本映像連盟報」第16号より引用)
 一人の少女の成長と淡い初恋の記録。
 ある高校の写真部に入った主人公の少女は3年生の先輩に淡い初恋に似たものを感じる。それは恋というよりも兄に似た感情である。ある日彼女を送ってきた彼は坂道で写真を散らしてしまう。その時の印象は深いものとして彼女の意識の中に止まる。やがて彼は、そんな彼女の心も知らぬまま卒業して北海道の大学に去る。
 そして数年、彼女に新しい恋人ができた。そんなある日、坂道で彼が写真を飛ばす。かつての初恋の日が彼女にはなつかしく思い出されるのだった。

【解説】
 百万辺映画製作所はもともと、この作品を製作して京都大学学園祭に出品するために結成された。京都大学写真部と劇団鞠小路の全面的協力による大作。

【受賞】

【各界の評判】
●日本映像フェスティバルにて

●五日市映画祭にて
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京大映画ニュース'81〜'86

1981〜86年撮影(編集は1986年)
スーパー8 1トラック 23分
制作・監督・撮影・選曲・編集:滝沢修

【内容】
 監督が在学中に撮影した京大関係の記録フィルムをニュース映画形式に編集したドキュメンタリー。

【解説】
 本作品は、元「イメージフォーラム」編集長の西嶋憲生氏に高く評価され、「美術手帖」 1986年9月号「ART FOCUS」欄に2ページに渡って紹介記事が掲載された。【紹介記事】

美術手帖 1986年9月号 ART FOCUS

ひさびさ映研の傑作
〜滝沢修「京大映画ニュース」〜

西嶋憲生

なんの期待もなく入った上映会が刺激的だったときほどうれしいものはない。七月十二日に恵比寿を通りかかった折、シネプラザ・スペース50という自主上映スペースの前に「京都大学自作映画団体合同上映会 8mm映画の宴 in Tokyo」という看板を見つけ、ちょうど上映開始時間だったので覗いてみた。 Aプロ、Bプロ合わせて五時間半の長丁場、Aプロの九本(うち一本はなぜか早大の招待上映)を料金二百円也を払って見せてもらった。五十の客席に二十人弱の入り、関係者や友人が多いようであった。

京都の“学生映画”を見る機会はほとんどなく、これが初めてかもしれない。観念的な味わいをもった“学生映画”の世界はけっして嫌いではないが、なぜかどれもこれも似てきて、しかもそれを作っている学生の“顔”というものが見えてこない不満があった。表現上の個性といったことではなく、下宿や大学のキャンパスを舞台にしながら、その空間を作り手がどう見ているのか、そこで何が起こっているのか、何も感じられないのだ。中途半端な倦怠と不安が仄見えるばかり。何だか霞んだ生活感がただよっている(もっとも大学生活などいつの世もそんな抽象的な生活なのかもしれないが……)。

だからこそ、百万辺映画製作所の滝沢修(ン?)による「京大映画ニュース」(八一〜八六年)の感覚にはすっかり意表をつかれたのだ。

これはかつてどこの映画館でも本編の前になっていた“ニュース映画”の形式のパロディである。タイトル(たとえば、京大に中核派あらわる、とか取り壊し前の吉田寮とか)と日付が入り、8ミリで撮った風景や事件に、いかにもそれらしいBGMとナレーションが入るというもの。その音楽やしゃべり方が何だかふざけているので、ニュースもヤラセかと思わせたりするが、大学祭での小泉今日子ショー中止による騒ぎや中核派学生が白昼構内で殺されたことなどは新聞ざたになっているから事実であろう(小泉今日子ショーについては翌日の『朝日』の興味本位な“暴徒”報道を現場の映像と比べて皮肉る)。

軽快な“逃走論”からはほど遠い“学園自治”の七〇年代的酸鼻ぶりから、食堂や図書館の改築、地下鉄の開通、雪の日の風景、果ては一京大生が二十歳になる瞬間まで、公私混同・玉石混交の“ニュース”なのだが、このマジメとフマジメが共存した報道の中に、美学的な気取りに足をすくわれやすい劇映画では伝わらない、製作者の精神や生活感が実にスルドク突出しているのであった。

大学新聞なるものが大学でいま起こりつつあることを何も伝えぬメディアになったのはずいぶん以前のことだろう。一方、何の義務感もなく“遊び”で作ったとも思えるこういう8ミリ・ドキュメントに、学内の、また大学周辺の“都市論”がヴィヴィッドに出現する。

“ニュース映画”という打ち捨てられた形式の再生も含めて、これはとびぬけたメディアの使い方である。いわゆるドキュメンタリー映画の作品的完成度もめざさず、ただ出来事を撮る。これこそ、ジガ・ヴェルドフの《キノニェジェーリャ(映画週報)》ではないのかと思わせた。むろん作り手は革命を主張したり政治的アジテーションをくり出すわけではない。むしろ「少年探偵団」の感覚に近い。しかし、だからこそ、結果として、“京大キノプラウダ(映画真実)”になっているのだ。

このフィルムを見ていると、ほんの一端とはいえ、いまの大学で起こっていることの新しいことと古いことがわかってくる。しかもその映像は彼らしか撮れなかったもの、テレビや新聞の他人事とちがう実感がある(たとえば壊される吉田寮を愛着をもってなめるキャメラ)。8ミリのピンボケの“不完全な”映像が最も貴重な記憶として残されるのだ。

同じ作り手による「走れ!電気自動車」や真伏博士の「表現主義者の跳梁」なども面白かったが、「京大映画ニュース」は8ミリ・メディアの啓示をふくむ重要なフィルムとして抜きん出ている。

全国の大学映研がドラマより先にこうしたニュース映画を作り、それをつなぎ合わせてみたときに、いまの大学生活の見えない現実が浮かび上がるのではないか。それが現在の《映画眼》(ヴェルドフ)ではないか。ガンバレ映研、京大に続け!

(にしじまのりお・映像論)
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京大映画ニュース86年11月21日号

1986年度京都大学11月祭参加作品
スーパー8 無声映画 4分
制作・監督・撮影・編集:滝沢修

【内容】
「京大映画ニュース'81〜'86」の続編。3エピソードから成る。

【解説】
 1986年の第28回京都大学11月祭自主製作映画祭典において速報上映するために急造したサイレント短編。手塚真氏(映像作家)らによって毎年12月に東京で催されるイベント「最低8ミリ映画祭」の第2回大会に出品し、「わけがわからん」「不気味だ」「こんな映画を作る必要性がどこにあるのか」等々の痛烈な批判を受け、「もうやめま賞」を受賞した。

【受賞】
 東京インターナショナル最低8ミリ映画祭2 もうやめま賞(1987)【表彰式写真】

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テレビゾーン

1988年作品 スーパー8 2トラック 14分
制作・監督・撮影・選曲・編集・出演:滝沢修
製作協力:池上喜代壱

【写真】

【内容】
 東京12チャンネル放送開始(1977)と共に起床し、有楽町の日劇(1981)とその跡地に建ったマリオン(1988)を往復しながら、「NET→テレビ朝日局名変更予告」(1977)に見入る滝沢。出たがりが昂じて、京大合格発表のテレビ中継を妨害する滝沢(1986)。ときおり「たまづさの怨霊」(NHK新八犬伝1973)に襲われながらも、「虹と雪のバラード」(トワ・エ・モワ1972)の流れる地下化前の四条京阪(1986)から、「ありがたや節」(守屋浩1961)に乗せて天皇平癒祈願記帳に向かう滝沢(1988)。そこでも襲いかかる「出たがりの怨霊」。テレビへ出たがる滝沢を8ミリの世界へ引き戻そうと随所に現れる「フジカシングル8第1号CM」(1965)。オイルショックで放送時間短縮したテレビ(1974)をつけっぱなしにして就寝する滝沢。そして、観る者すべてを真っ白にする結末。
ドキュメンタリーと寸劇の融合を目指し、持てる映像・音源素材をフル出動させ、時間と空間を超えて繰り広げられる「滝沢ワールド」。ある人曰く「これ映画なの?」

【受賞】
 学生映像連盟シネック春の合同映画祭 優秀作品賞 監督賞(1989)

【各界の評判】
学生映像連盟シネック合同映画祭審査員評ほか(1989年)

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大層な映画

1989年作品 スーパー8 2トラック 7分
制作・監督・撮影・選曲・編集・出演:滝沢修
製作協力:今城秀司

【写真】

【内容】
 昭和天皇崩御の臨時ニュースに飛び起きる滝沢。高速1号線(城山吉之助)・東京ラプソディ(藤山一郎)・東京ブギウギ(笠置シズ子)・銀座カンカン娘(高峰秀子)・東京の屋根の下(灰田勝彦)・若いおまわりさん(曽根史郎)・銀座ブルース(松尾和子)・東京プレイマップ(沢たまき)等々、東京をテーマにした軽快な曲が流れる中を、おごそかにとり行われる大層なイベント。脈絡無く出没する芳山和子(NHK続タイムトラベラー,1972)。そんな状況でもやっぱり「出たがりの怨霊」にとりつかれている滝沢。
 「テレビゾーン」の続編的作品。

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清純な映画

1989年作品 スーパー8→シングル8デュープ 無声映画 1分
制作・撮影・編集:滝沢修
登場人物:鈴木清順、松尾正信、滝沢修、ほか

【写真】

【内容】
 1989年1月30日、新宿の喫茶「滝沢」で、学生時代の自主映画仲間と一緒に鈴木清順氏(映画監督)らと面会した時の記念撮影。鈴木氏の許可を得て、フィルムの一部は「テレホン人生相談」に流用されている。

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テレホン人生相談

1990年作品 スーパー8 2トラック 9分
制作・監督・撮影・編集:滝沢修
出演:餓田猟奇、滝沢修
声の出演:山下久乃、福田かおる、岡村博文、並木あゆみ、繁田健治
登場人物:西村まゆみ、寺沢ひとみ、加藤功、鈴木清順、ほか

【写真】

【内容】
 人生上の悩みに対して電話で相談に応じる映画。洛北医科大学の臨床心理学の権威がカウンセラーとなり、次々にかかってくる深刻な悩みをあざやかに解決していく。結論はただ一つ。「映画を撮ってるやつはダメになる」

【受賞】
 学生映像連盟シネック映像パノラマパーティ・ブラックユーモア・コメディ賞(1990)

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京都大学工学部電気系西館改築工事記録

1990年作品 スーパー8 1トラック 5分
制作・監督・撮影・編集:滝沢修

【内容】
明治時代の由緒ある赤レンガ造りの校舎であった京都大学工学部電気系西館が立て替えられる模様を、解体・遺跡調査・新築に渡る数年間撮り続けた記録。

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トータル・エクリプス

1991年作品 スーパー8 1トラック 15分
制作・監督・撮影・編集:滝沢修

【写真】

【内容】
1991年7月にメキシコで観測された皆既日食の模様を撮影した科学ドキュメンタリー。監督の新婚旅行記録を兼ねた作品。

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さよならエクタクローム

1991年作品 スーパー8 1トラック 1分
制作・監督・撮影・編集:滝沢修

【内容】
コダック・スーパー8高感度エクタクロームフィルムが製造中止になるのを記念して制作した一発芸作品。

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すごいもん見せたろ

1992年作品 スーパー8 1トラック 1分
制作・監督・撮影・編集:滝沢修

【内容】
監督の新婚旅行記録を使った一発芸作品。

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淀川の映画

1998年作品 スーパー8 1トラック 5分
制作・監督・撮影・編集:滝沢修

【写真】

【内容】
映画評論家・淀川長治氏の姿をとらえたドキュメンタリー。1993年に東京で撮影。第15回あきる野映画祭フィルムコンテスト13(1999年)一次予選落ち。

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五日市線岩井支線跡往復3分20秒の旅

1999年作品 シングル8 1トラック 3分
制作・監督・撮影・編集:滝沢修

【写真】

【内容】
十数年前に廃線となったJR五日市線岩井支線(東京都あきる野市)の跡地を踏破した紀行映画。第16回あきる野映画祭フィルムコンテスト14(2000年)一次予選落ち。

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JR五日市線立川−拝島間廃線跡探訪

2000年作品 シングル8 1トラック 8分30秒
制作・監督・撮影・編集:滝沢修

【写真】

【内容】
戦時中に廃止されたJR五日市線立川−拝島間の線路跡を踏破した紀行映画。第17回あきる野映画祭フィルムコンテスト15(2001年)一次予選通過(35本中20本)、二次選考落ち。

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